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三菱一号館美術館 中庭口
三菱一号館美術館
〒100-0005 東京都千代田区丸の内 2-6-2


数百年続く日本の伝統の技「染めの型紙」
型紙―世界が恋した日本の文様/デザイン KATAGAMI Style

KATAGAMI Style

Paper Stencils and Japonisme
19世紀後半、日本の伝統的な染色のための道具「型紙」が大量に欧米に渡ります。型紙の大胆かつ繊細なデザインは、19世紀末から20世紀初めに欧米の芸術家に大きな影響を与え、様々な作品が誕生しました。
本展は、ジャポニスムとよばれるその芸術潮流を、日本で初めて型紙を軸とした視点により、約400点のガラスや金属工芸、陶磁器、宝飾品、ポスター、家具等で概観するものです。当時欧米に渡った型紙も100余年を経て里帰りをします。19世紀末の欧米の美術・工芸に 「KATAGAMI」 が与えた影響力を、国内外の美術館、博物館よりの多彩な作品を観賞し、楽しむ展覧会です。
【型紙】 絹や綿に模様を染め付ける型染に用いる道具で、柿渋で加工した美濃和紙に、菊花、千鳥、流水、縞など、驚くほど多種多様なデザインが、時に大胆に、時に精密に彫刻刀で文様が彫られたもの。古くは裃や小袖、浴衣などの着物の生地に、防染糊を用いて文様を染め抜くため用いられた。

会期: 2012
4/6金)〜5/27(日)
展覧会は終了しました。
開館時間:[火・土・日・祝] 10:00―18:00 / [水〜金] 10:00―20:00
※入館は閉館30分前まで
休館日:毎週月曜
※但し、4月30日と5月21日は開館
会場:
三菱一号館美術館
巡回展:
京都会場 2012 7/7〜8/19 京都国立近代美術館
三重会場 2012 8/28〜10/14 三重県立美術館
巡回展は終了しました。

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「KATAGAMI Style」三菱一号館美術館
「KATAGAMI Style」
三菱一号館美術館 報道内覧会


世界が恋した日本のデザインもうひとつのジャポニスム
【展覧会の構成】    〜「KATAGAMI Style」カタログ、他からの抜粋文章〜
本展は、1章 型紙の世界、2章 型紙とアーツ・アンド・クラフツ、3章 型紙とアール・ヌーヴォー、4章 型紙とユーゲントシュティール、5章 現代に受け継がれる“KATAGAMI”デザイン、 の5章構成になっています。
欧米の芸術家、デザイナーが海を渡った浮世絵を見て、その斬新な構図や色彩に多大な影響を受けたことはよく知られています。型紙のデザインも浮世絵と同様、芸術家たちを驚かせ、その着想の源となりました。
第1章 型紙の世界
第1章 型紙の世界 ―日本における型紙の歴史とその展開
木型を用いて防染する奈良時代や、金属の薄板を用いて顔料を刷り込んで革に模様を表わす平安時代などの型染を経て、鎌倉から南北朝時代にかけて、紙製の型を用いて糊防染を施す型紙染が出現する。そして桃山・江戸時代を通じて型紙を用いた型染は、染の一つの大きな流れとなっていった。

江戸時代の前期から男性の裃や小袖、羽織などに、江戸時代中期後半以降は、町人の間から生まれた 「いき」 の美意識を背景に、型紙染が町人女性の着物に大流行する。

第2章 型紙とアーツ・アンド・クラフツ
第2章 型紙とアーツ・アンド・クラフツ ―英米圏における型紙受容の諸展開
19世紀末までに、日本の型紙の平面的かつ簡素な連続模様は、時代の要請に合って、多様な媒体への応用が可能で、英国産業デザインにも、アーツ・アンド・クラフツの作家たちにも美的インスピレーションを与えた。1876年のフィラデルフィア万博の頃には、型紙の影響はアメリカ合衆国に伝わった。

彼らが好んだ菊文、松葉文、蔦文などの細かな繰り返し文様は、テキスタイルや家具、文房具、ステンドグラスに利用され、豪華な室内装飾に異国の雰囲気を持ち込んだ。

第3章 型紙とアール・ヌーヴォー
第3章 型紙とアール・ヌーヴォー ―仏語圏における型紙受容の諸展開
アール・ヌーヴォーの花開くフランスでは、早くから浮世絵などジャポニスムが広く深く展開した。ガラス、陶磁器、家具などの工芸産業の中心地ナンシーや、絹織物の産地リヨン、木綿の染織の中心地ミュルーズなどでは、型紙が早くからコレクションされ、工芸美術家たちのデザイン・ソースとして様々な文様が参照された。

型紙は、日本のデザインの特徴である自然のモティーフを簡潔なデザインに還元し、植物や鳥、虫などに、古典文学「源氏物語」や和歌に基づく自然景のデザイン(流水に紅葉か桜、柳に水車、波に千鳥など)の組み合わせもある。

第4章 型紙とユーゲントシュティール
第4章 型紙とユーゲントシュティール ―独語圏における型紙受容の諸展開
ドイツにおける型紙収集は工芸博物館と付属する工芸学校を中心に国内産業の振興、育成に寄与。なかでもドレスデン工芸博物館の型紙は約16,000枚を有す、現在ヨーロッパ最大の型紙コレクションである。またハンブルク工芸博物館に現在約2,000点、リンデン博物館の型紙は約1,000点収蔵され、日本の美術・工芸品はドイツ各地に拡がっていた。

ドイツでは、造形において簡素から多様性を生み出すための手本とされた日本の「型紙」は、工芸改革運動が盛んになる19世紀末から、機械製造化による20世紀初めの近代デザインの黎明期に大きな影響を与えた。オーストリアでも型紙の受容の中心地は、ウィーンのオーストリア美術産業博物館と付属の工芸学校であった。

第5章 現代に受け継がれる“KATAGAMI”デザイン
第5章 現代に受け継がれる“KATAGAMI”デザイン
20世紀前半にジャポニスムが終息したのち、欧米の芸術家に多大な影響を与えてきた型紙は芸術の表舞台からは姿を消したように見える。ところが、型紙のデザインは20世紀を生き残り、21世紀に入ってからはむしろ復活したかのように見える現象が起こっている。

イギリスやフランスなどの欧州、またアメリカにおいてはオークションサイト「eBay」などで、日々取引が行われている。ほぼ全てが「KATAGAMI」とローマ字でつけられ、文様の名称の説明として「Kiku」や「Ume」などで、1枚につき1ドルに満たない低価格から高額な200ドルを超すものまである。英国や米国では画廊が収集し、その主力商品となっているところもある。

お問合せ:03-5777-8600 (ハローダイヤル)
展覧会サイト:http://Katagami.exhn.jp/
美術館サイト:http://mimt.jp
主 催
:三菱一号館美術館、日本経済新聞社
協 力:全日本空輸、J-WAVE

参考資料:Press Release、カタログ「KATAGAMI Style」、他。
※写真撮影は、主催者の許可を得て行っております。
ご意見ご感想は  yashio@mui.biglobe.ne.jp

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